40周年を迎えるキューバの現代アートの国際展「ハバナ・ビエンナーレ」にTURNが招聘され、公募して選出されたアーティストのクロエ・パレと渡邊元貴が現地に渡航しました。
実際に現地へ赴くと、異なる文化圏やシステムに出会うことのみならず、ハリケーンの上陸とそれによって生じた様々なインフラの停止等の被害により、予定していた活動を中断する状況に置かれました。交流やワークショップの実施が限られ、新たなプランを模索し続けながら展覧会の場をひらきましたが、オープニングには交流先の参加者やスタッフをはじめ、多くの方が集まり、新たな出会いと交流の時間になりました。

【第15回ハバナ・ビエンナーレ/ 15th Havana Biennial】

開催地:キューバ共和国、首都ハバナ
開催期間:2024年11月15日(金)~2025年2月28日(金)
会場:約80箇所

【TURN in HAVANA 2024】

アーティスト×交流先:
クロエ・パレ×知的障害者支援施設ACPDI
渡邉元貴×ロベルト・フェルナンデス・レタマール図書館(カサ・デ・ラス・アメリカス)
交流期間:2024年10月28日(月)~11月12日(火)

展示会場:Villena Room/UNEAC
     ※会期後半の展示会場は、上記交流先に変更になりました。
展示期間:2024年11月14日(木)~2025年2月28日(金)

【プラン・活動】

クロエ・パレ ≪geometría polisentimental≫
このプロジェクト/作品は、日本の伝統的な「紙漉き」を交えて、知的障害者支援施設ACPDIの利用者やスタッフとの交流を通して、ハバナの地図をつくることを想定していました。ワークショップ参加者一人ひとりが、ハバナのまちや普段の生活を和紙づくりに取り込み、個人的な物語や集合的な記憶が編み込まれた「多視点的/感覚的な一つの地図」の創作です。現地の人たちとの交流とともに、和紙づくりは行えましたが、予定していたワークショップは部分的な実施に留まりました。皆でマップづくりに取り組むことは叶いませんでしたが、その代わりにマップづくりに取り組むための方法論/指示書を共有しました。

渡邉元貴 ≪張子の具≫
日本の伝統的な「張子」や「仮面」、そして自身の出身地でもある愛媛県今治市の芸能「継ぎ獅子」の要素を取り入れ、ロベルト・フェルナンデス・レタマール図書館に通う子供や地域の人たちと交流します。ワークショップ参加者と仮面をつくり、その仮面から聞こえてくる音や振る舞い、そして物語を創作することを目指したプロジェクトです。計画では、その仮面とともに、まちに繰り出し、パフォーマンスを展開することも構想していました。現地では、予定より少ない交流とワークショップの実施の中で、仮面づくりとともに、ハリケーンによる停電時においてそれぞれ何をしていたかを描き共有する時間も取り入れながら、展示のオープニングでは即興的なパフォーマンスを展開しました。